友達がマルチ商法に - その３
僕は基本的に人から聞いた話をなんも考えずに鵜呑みにしたりはしない。(中途半端な人間なので徹底できているわけでもないけど)
彼が僕に話を持ちかけてきた時、僕はまずリスクについて聞いた。
すると彼はリスクはないと言った。
リスクがないわけがない(というか、リスクがまるっきり見えてこないのなら恐ろしくて絶対に手出せない)ので、僕は自分で考えた。
・人と人、人と金の関係が直接的すぎる。つまり、それだけトラブルが発生しやすいだろう。しかも大きな。
・知人・友人など人間関係の近しい人達を対象にビジネスを展開していく。つまり、ヘタすれば(僕は高確率だと思ってる)今まで築いてきた人間関係が崩れる。
・販売員が商品を大量に発注して借金が出来たとき、会社は面倒見てくれない。つまり、金銭的リスクも十分に抱えている。
少し考えれば僕でもこれくらい思いつく。(※1)
僕は彼に一つずつ伝えてみた。
結果的に、全てにおいて「セミナーや上の人からちゃんと学んでそれをしっかり実践していけば、そういう事態になる可能性は(0ではないが)かなり低い。それに間違った事をしようとすれば周りが止める。」という回答に行き着く。
僕は納得できない。
まず「セミナーとか上の人の言うとおりにやれば」ってトコだけど、人間の数は有限、しかも僕らの住んでる地域の人口や世代なんかを考慮するともっと限られてくる。教えてもらった通りにやった所で(教えてもらった通りやることすら難しいわけだが)成功する人と失敗する人は確実に出てくる。
周りが止めるというのもどうだろう。そりゃ相談すれば止めるだろうけど、勝手なことやるヤツが出てこないとも限らない。そのとばっちりが自分のトコにまで及ばないとも限らない。ネットワークを広げていくことを前提としている以上、この可能性を否定するのは難しいんじゃないか。(※2)
僕はセミナーに参加したわけでも上の人の話を聞いたわけでもない。彼からの話もまだ触り程度でしかないと言う。僕が何を言っても具体性に欠けるのかもしれない。
だからといって「上の人」に会うのもさすがに足を踏み込みすぎではないか、とも思う。
そうそう、彼は決して強制はしてこない。その辺りはしっかりしている。
彼も馬鹿じゃない。僕なんかより賢いヤツだと思っている。
でもこうも違う見解に行き着くのは何故なのだろう。
彼が社会に出た経験がないから？僕が「上の人」の話を聞いていないから？
彼が上の人から話を聞いて「しまった」から？
つづく
※1 ： 後からネットで調べてみたけど、割と当たってる。
※2 ： 後からネットで調べてみたところ、グループを組んで活動するケースが多いらしい。友達の話を聞いていてもそんな感じ。でもまぁそれでも勝手なことやるヤツが出てこないとは限らない。それに、先行投資みたいな感じで一人当たり何十万も払う(払わされる？)ようなこともやっているらしい。
