先ほどの出来事

財布の中にしまってあるはずのカード類が机の上に散らばっている。
犯人が太一くんだということはわかりきっている。
すぐに財布にしまいなおすが半分くらい足りない。
電車の定期券もない。
まだろくに会話できない太一くんに尋ねても、当然答えは得られない。
太一くんはパソコンのキーボードの上に黙々と車のおもちゃを並べている。
探し始めて15分、一向に見つからない。
疲れた僕は机の前の椅子に座る。
目の前に国語辞典が4冊程並んでいる。
その内の一冊に目がとまる。
なんかケースがパンパンに膨れている。
「・・・あった orz」
辞書をケースから落とすと、残りのカード類が一気に出てくる。
太一くんは僕の方を見て
「あーっ!」
と言って驚いた顔をしている。
どうやら相当に自信があったらしい。
確信犯だった事の方が驚きだっつーの。