新人とベテラン


「ぶちっ」と切れかけた内容


僕が新人の頃、似たようなモンだった気がする。
学生の頃に習ったことなんて、ろくに身に付いていなかった。
実習の時間にVBで計算機作ったのが楽しかった、それくらいしか記憶にない。
まぁ、高校は情報系で短大は電子系だったから、ってのもあるかもしれない。
この業界に入ろうと思ったのは、計算機作ったのが楽しかったから、ただそれだけ、と言っても過言ではない。(いやさすがに言いすぎかも)


入社一年目は、向上心もろくになかった気がする。二年目辺りから、プログラミングに対する興味がだんだん大きくなっていった。C#を始めてしばらくたった頃だ。


去年の4月、同じ部署に新人Aと新人Bの二人が入ってきた。僕は4年目にしてようやく先輩になった。
新人は、一か月の新人教育の後、UMLOracleの資格を取得しなければならない。僕はメンターとして資格取得の面倒を見た。
新人は週報を書いてメンターに提出する。メンターはそれにコメントを書いて返す。
資格取得が完了した頃、二人とも「取得した資格の知識を今後の業務に生かしたい」といったことを週報に書いてきた。僕は、UMLを生かすならオブジェクト指向デザインパターンオブジェクト指向の原則などを学ぶと良い、といったコメントを付けた。(いきなり手を出しても挫折するから云々と言ったことも加えて)


その後、二人は別々の業務に付いた。


僕は10歳以上年上のC(派遣契約)と二人で仕事をしていた。僕はCにオブジェクト指向を身に付けてもらいたくて、オブジェクト指向を身につけるための説明をした。行く行くはデザインパターンも身に付けてもらいたいと思い、デザインパターンの書籍も紹介した。業務時間を使ってある程度読んでもらった。


Cはあれから続きを読もうとはしなかった。読んでもらった箇所も習得していなかった。その後も頑張ってアレコレ教えようとしたけれど、結局向上心は見られなかった。
ベテランであり、向上心がなく、社外の人。僕はもう諦めた。


Aは小さなアプリを何度か作った後、設計がうまくできないということを嘆いていた。
僕がCにした話はAに聞こえていたんだろう。翌日、Aの机の上にはデザインパターンの本が置かれていた。
しばらくたってAに話を聞いてみると、Aはその本をちゃんと読み進めていた。しかも、掲載されているサンプルプログラムを全て実際に動かしていると言っていた。これには驚いた。僕には到底真似できない。
僕は他の良書を何冊か薦めておいた。


Bとは、ちょこちょこ一緒に仕事する機会があった。Bは自分から本を読もうとはしなかった。僕はAに薦めた良書をBに薦めようとは思わなかった。興味を持っていない内は薦めたところで読まない、と思うからだ。これはCから学んだことだ。
でも、実際にBに薦めたらどうなるか検証してみたくなった。結果、やはり読まなかった。


Bもダメなのだろうか?
僕はまだ、そうは思わない。僕もBと似たようなもんだった。そういえば、僕がC#を勉強することになった時、先輩にデザインパターンの本を読むように言われた。Aが自ら手に取ったあの本だ。僕はあの時読まなかった。


残念ながら、僕にはBの向上心を煽る術が思い浮かばない。
これからBが色々な経験をしていく過程で、Bに向上心が芽生えてくれることに期待する。